
creatorinterviewdivka / 永田典靖 氏・田中崇順 氏・松本志行 氏 インタビュー
「ファッションを取り戻す」。明日を生きるために。
LAST UP DATE 04/15, 2011
2010年に結成されたデザインチーム「divka(ディウカ)」。大手アパレル出身という共通の背景と、それぞれ独自の感性を持つ3人が提案するファッションを通じた様々なプロジェクト。「divka」から産み出されるクリエイションのコアにあるのは「美しさの探求」そして挑戦し続ける「意思」。本インタビューでは、コンセプチュアルなデザインチーム「divka」の本質に迫りつつ、これからファッション業界を目指す方へのメッセージを掲載。


- 永田 典靖 (文中N)Noriyasu Nagata age 30
divka Director
名古屋モード学園 出身
田中 崇順(文中T)Takayuki Tanaka age 30
divka Designer
セントラル・セント・マーティンズ美術大学 出身
松本 志行(文中M)Motoyuki Matsumoto age 28
divka Pattern Cutter
文化ファッション大学院大学 出身
divka オフィシャルサイト
http://www.divkanet.com
自分の持っている能力を活かしつつ、3人だから出来ることがある。
まず、デザインチーム「divka」の設立経緯からお聞かせ頂けますか?
永田 以下N)divkaは、もともと前の会社で一緒だった3人が集まって設立したデザインチームです。僕自身は当時から自分のブランドをやりたいという明確なビジョンが自分の中にはあって、独立は自分にとって自然な流れでした。
田中 以下T)僕たち3人の特徴を活かせば、何か面白いことができるのでは?と感じたのがdivka設立のきっかけですね。
松本 以下M) 2人との出会いは大学時代にインターンをさせて頂いていた時です。自分の持っている能力を活かしつつ、3人の力として表現できれば、すごく良いモノができそうだという確信が持てた事が一番大きかったと思っています。
遠ければ始まっていない。精神的な方向性が共通していることが前提。
divka から産み出されるクリエイションには「ファッション」「写真」「デザイン」と表現手段に限らずある種の共通したフィルターがかかっているように思います。皆さんそれぞれが持つクリエイションの方向性が、かなり近しいということでしょうか?
N:実は、細い部分では明確な共通点は少ないかも知れません。でも、遠ければ始まっていないのも確かです。僕達が10代の頃はファッションに対してもっと自由であったし、皆ファッションをもっと楽しんでいたと思う。その当時の想いやファッションを取り戻したいと僕達は考えています。その想いとは「自由な精神」や「新しさ」というべきものかも知れないですが、具体的には何か?を葛藤しながら、常々考えています。そういう意味で僕達に共通しているのは精神的な方向性かも知れないですね。
T:3人とも、美しいと感じる、美しさの種類が似ているんです。世の中には様々な視点があることは認めた上で、自分たちの視点でモノ創りをしようと思っています。マーケティング優先の現代のファッション業界の中では、その考え方は古かったり、時代に合わないかも知れませんが、僕達はモノ創りにおいて、そういうスタンスが必要だと信じています。
僕達の求めている「美しさ」というものを、このテーマの中では「経年変化」として表現した。
2011年S/Sから本格的にコレクションをスタートしたdivka。2011 S/Sのテーマや発表したワークスについてレビューをお願いできますか?


"Re-cycle"

"wallpaper"

"wallpaper"
N:僕らの求めている「美しさ」というものを、このテーマの中では「経年変化」として表現しています。1分、1時間でできるものではなくて、年月が経ったものは何物にも変えられない。誰にもマネできないものが実際にそこに存在し得る。そこに美しさがあるのではと思っています。
T:ただ単に古びたものを素材として用いるのではなくて、自分達の視線でその美しさのある「経年変化」を創り上げています。僕達のクリエイションはキーワードから考えはじめています。その中のキーワードのひとつとして「時間」というワードも出していて。カットソーでも時間の経った色褪せた感じの色合いを出しています。traceという作品では、額をはずした時の日焼けの跡など、存在しないものが表現された時の美しさを表現しています。

"trace"/"NeverEver"
精神とか伝えたいことをプリントの柄なり、パターン等の形にして伝えるのが僕達のファッション。
divka のWEBサイトでは「アーティスト、デザイナー、フォトグラファーがTシャツをキャンバスと捉え作り出すTシャツを彼らからのメッセージ(手紙)として皆様にお届けします。 私たちは一枚一枚ハンドプリントされたそのTシャツを身近に買えるアートとしてみなし、全てのTシャツにシリアルナンバーを入れています。」と記載されています。服 対 人のコミュニケーションの手法としてdivka のスタンスを良く捉えている気がします。もっと、フォーカスすると、皆さんの考える美しさを一人でも多くの方に届けるために、服やアートを新しいコミュニケーションツールとして大切にされている姿勢が伝わってきます。
N:僕達より上の年代は表現手段としてロックやパンクがあったと思うんです。でも、僕達の年代はロックやパンクの表現の元となる「反骨精神」ではなく、違う表現を「反骨精神」の変わりに感覚として感じているからかも知れません。単に、僕達3人の性格的なものもあるかも知れないですが。
T:ちょっと、遠まわしというか。直接的ではない表現やコミュニケーションが好きなんです。
見方を変えれば今はダイレクトな情報が溢れていて、その処理に消費者も疲れて来ているのも確かですよね。
N:そうですね。だから、僕達はダイレクトな表現としての「メッセージTシャツ」とかはあまり好きではありません。精神とか伝えたいことをプリントの柄なり、パターン等の形にして伝えるのが僕達のファッションだと思っています。
「ファッションを取り戻す」こと。それは、ファッションを通して「明日を生きる楽しさ」をつくるための行為。
これからのファッション業界の中でdivka が目指していくポジションや方向性はどの様に捉えていらっしゃいますか?
N:個人的な考えですが、様々な社会背景から日本を考えると市場を日本だけで展開するという考えは早く捨てておきたいと考えています。さらにヨーロッパ、ロシア、中国、香港なども視野に入れて、消費・経済の面でもグローバルに考えておかないと今は簡単に会社が潰れてしまう時代だと思います。デザイナーズブランドは、そこで生き抜く事を考えなければいけない。デザイナーズブランドを除いたアパレルで成功されている企業には大きなビジョンがあって、組織として進む方向が確立されているだからこそ、現場の社員も目の前の目標に向かって頑張れる。組織になればなるほど、その明確なビジョンがなければ前に進めないという事の実例だと思っています。だから、僕達は現実を見据えつつ、ビジョンを持って発表し続けることが大事だと思っています。
現実問題として、今は服を作れば売れる時代ではない事は確かです。シビアに受け止めつつも、「それじゃファッションは面白くないでしょう?」というメッセージを強く出していくことが僕達の仕事と考えています。それが「ファッションを取り戻す」という意味になってくると思っています。
M:ビジョンを持ち、そのビジョンの中で創りたいものを創って行くだけです。ファッションは本来楽しいモノですが、今の若い子たちに「好きなブランドはファストファッション」、「欲しい服もファストファッション」という時代が訪れようとしている事を懸念しています。ファストファッションを否定はしませんが、僕達が考えるファッションの在り方ではない。永田がいったように「ファッションを取り戻す」こと。それは、ファッションを通して「明日を生きる楽しさ」をつくるための行為でもあるのです。
M:具体的には、やはりパリコレはひとつの通過点・目標として、イメージしています。
T:憧れというよりか、一番注目が高く、多くの人に届く意味でも。
M:近い目標としては、東京コレクションですね。
N:東京コレクションまでどの位かかるか分かりませんが、ブランドの展開含めて計画しています。当面の目標は、より多くの人に見て貰える機会を作りたいですね。
T:WEBやTwitterなどネットでのコミュニケーションにも力を入れ始めました。まずは、多くの方に見て貰いたい。そして場所はどこであれショーとして発表したいと思っています。
2011/4/26~5/1に開催予定の展示会についてお聞かせください。
divka 展示会「preserving memories」
2011-12 Collection of Limited Works
04/26(Tue)-05/01(Sun) 11:00-19:00
divka (women's wear & accessory) http://www.divkanet.com
Dummyhead Depaysemen (unisex wear) http://www.dummyheaddepaysemen.com
[場所]
VANTAN DESIGN INSTITUE 恵比寿本校[デザイナーズメゾン]
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南 1-9-14
JR線・東京メトロ日比谷線/恵比寿駅より徒歩1分

M:今まで以上に手作り感の強いものになると思います。
初志貫徹。それを諦めないこと。そして、明確なビジョンを持つこと。
最後にこれからファッション業界を目指す方へのメッセージを頂けますでしょうか?
M:今は目標が明確に見えていなくても、目の前のことを一生懸命に頑張ること。そうすれば、自ずと先が見えてきて大きな目標がみつかると思います。お互い、頑張りましょう。
N:これからファッション業界を目指す方は、夢があり目標がある方だと思う。その気持ちは必ず作り上げる服にあらわれてくるものだと思います。その気持ちを忘れずにいて欲しいと思います。そして大切なものをひとつ上げるとすれば、オリジナリティだと思います。そして、語弊を恐れずに言うと人に媚びないようにすることです。クリエイターは創るモノもそうですし、会社の中にいてもそうするべきだと思います。組織の中にいると自分がどういうスタンスでいればいいのか?迷う時もあると思います。でも、媚びてしまうと、創るモノも組織の中の人としても、存在感がないモノ、人になってしまうと思っています。皆さんには自分のキャラクターをより大事にして貰いたいです。
そして、社会に流されると大人しくなってしまいがちだと思いますが、オリジナリティを持って初志貫徹できる人材になって欲しい。僕達もそう信じて頑張っています。
T:好きなことを一生懸命やる。それを諦めないこと。そして、明確なビジョンを持つこと。自分のやること、やっている事を諦めないでやり続けることが大切なのだと思います。
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